南ウクライナ原発にミサイル攻撃と、エネルゴアトム

日本語メディアでも報道されているように、
南ウクライナ原発のすぐそばでロシア軍の
ミサイルが爆発したようです。

Invaders hit South Ukraine Nuclear Power Plant Energoatom (yahoo.com)
に掲載されている、Ukrainska Pravdaの報道で
それを見てみましょう。

各発電や核兵器に反対してらっしゃる読者の
皆様は、ザポリージャ原発以外にもロシア軍に
よる攻撃があるのでは、と憂慮してこられた
と察します。私自身も、そうです。
なんたること、私たちの心配が現実化して
しまったようです。。。

放射性物質が大量に漏れ出た場合、
風向き次第でロシア自身、またその他諸国の
領土まで汚染される危険性があることは
自明です。そんなことに、気が付かないので
しょうかねえ??

"Facing Off"
“Facing Off”
私の昔の作品

日本国内にも数十基の原子炉があって、
稼働中か否かは問題になりません。
そこに核燃料(使用済みも含む)などが
ある限り、原発が破壊されれば放射性物質の
漏出に至る危険性はありますよね。
で、そんな列島にまだ原発を新設すると、
日本政府は言っています。投票民の
多数派は、何を考えて投票してきたの
でしょうか?? 「国防」 を現実的に考えるなら、
日本列島にこれ以上の原子炉は、”軍事的にも”
危険でしかありません。

では、南ウクライナ原発 (Південноукраїнська АЕС)
でのミサイル攻撃の報道を紹介しましょう。
日本語メディアでも短く報道されていますが、
以下に紹介する、yahoo! newsに掲載されている
Ukrainska Pravdaの報道のほうが少し詳しいです。

なお、南ウクライナ原発の位置ですが、
首都キーフから南におよそ300㎞、
ザポリージャ市 (原発じゃないですよ ・・
ザポリージャ市と原発は、直線距離で
50kmほど離れています) からだと、
西に300㎞程度です。

いつもどおり、私の抜粋・日本語化
< > 内は私からの補足説明
*********************


“Angel of Earth”
私の昔の作品

2022年9月19日
Stanislav Pohorilov記者

9月18日から19日にかけての夜間、侵略
ロシア軍が南ウクライナ原発目掛けたミサイル
攻撃を実施、ミサイルは原子炉からわずか300m
の地点に命中した。

ニュースのソース: エネルゴアトムのTelegram
<というソーシャル メディア> での投稿

その投稿の引用: 「本日、9月19日、午前
00:20 <現地時刻、JSTだと19日06:20am>
にロシア軍が、南ウクライナ原発のある工業地帯
に対してミサイル攻撃を行った」

ディテール: 報告によれば、ミサイル爆発の
衝撃波のため同原発の建物が損傷を受け、
窓が100枚以上割れた。

さらに、南ウクライナ発電施設にはオレクサン
ドゥリヴカ水力発電所も所在するのだが、その
水力発電ユニットの1つもシャットダウンされた。
同様に、高電圧電力線も3本接続を切った。

「現時点では、南ウクライナ原発の3基の原子炉は
いずれも正常に稼働している。幸い、発電所の
スタッフには死者は出ていない」 とエネルゴアトムは
発表している。

ヴォロディミールゼレンスキー大統領はこの南
ウクライナ原発への攻撃に対して反応を示し、その
攻撃の様子を記録したヴィデオを <ソーシャル
メディアに> 投稿した。

ゼレンスキー大統領の投稿からの引用: 「侵略軍は
さらにミサイルを発射したかったようだが、彼らは
原発とはどういうものかを忘れてしまっている。
ロシアは、全世界を危険にさらしている。手遅れに
なる前に、ロシア軍を止めねばならない」

*******************


止めてよ ・・・
私の20分クロッキー

すでに本ウェブサイトで述べてきたように、
各発電には少なくても次の4種類の軍事的
リスクがあります。
・ 核兵器のproliferation (拡散) ・・ 本「やかんを
のせたら ~~」は、基本的にはこれを説明する
ウェブサイトです。上の黒いメニューにある既存
記事の多くをお読みくださった皆様なら、proliferation
riskのことはよくご存じと察します。

・ 原発が巨大なダーティ ボムになってしまう ・・
上記のミサイル攻撃が事実なら、まさしくこのリスクが
発生します。

・ 他国の侵略を正当化するための「言いがかり」と
して、原発や核施設が利用されてしまう ・・ 2003年
にアメリカや英国がイラクに攻め込んだとき、2022年
にロシアがウクライナに侵攻したとき、このリスクは
現実化してしまいました。

・ 敵軍に占拠された場合、奪い返すための
攻撃が困難な敵基地に ・・ ザポリージャ原発が、
現在、そうなってしまっています。

本当に 「自国を愛する」 のであれば、核発電を
どうすべきか、明らかですよね。


可能性はほかにもあるけど ・・・
私の20分クロッキー

あくまで仮説ですが ・・・

ザポリージャ原発でメルトダウンが発生した場合、
どこまで放射性物質による汚染が広がるのか?
その予想地図を、なんとロシアの国防省が発表
しましたよね。
Russian MoD Shows Map Showing Possible Consequences of Ukrainian-US Provocation at Zaporozhye NPP – 18.08.2022, Sputnik International (sputniknews.com)

ワザワザなんで、ロシアの国防省が??
自軍をザポリージャ原発から撤退させれば済む
ことでしょ!?

この地図公表の裏の意図として考えられる
仮説の1つとして、
?? NATO諸国がウクライナに支援兵器を
運び入れるのを、躊躇させる ??
という狙いが考えられますよね。

もしこの仮説が正しければ、上述の
「巨大ダーティ ボム リスク」 と
「敵軍の基地化リスク」
とは、国防という観点からも、
実に深刻な問題だと言わざるをえません。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
This entry was posted in Uncategorized. Bookmark the permalink.

Comments are closed.